火災のお話

当社対象物件・・・すべての物件の入居者

報道内容

 2019426日午前922分頃、札幌市中央区南4条東4丁目の10階建て賃貸マンションで火事があり、逃げ遅れた40代の男性が消防により救出され、病院に搬送されました。激しく吹きあがる黒煙と炎…。火は約1時間半後に消し止められましたが、9階の一室が全焼しました。消防が火が出た原因を詳しく調べています。(HTBニュース)


失火本人に賠償責任は無い!

 賠償責任はどうなるのか?まず法律関係を整理しましょう。賃貸の住まいに居住していて火災を起こしてしまった場合、持ち家と同じく失火責任法が適用されます。通常、故意又は過失によって他人の権利等を侵害した場合には損害賠償責任を負うはずですが、失火による場合には、重過失がある場合を除き、責任を免れると規定されているのです。明治32年制定の古い法律が適用されます。ただし、失火によって損害が発生した場合、失火した借主からみて、相手が隣人か大家かによって損害賠償責任が変わってきます。 (重過失重大な過失。不注意ないし注意義務違反の程度が甚だしいこと。)


隣室の人に対しては、

 失火責任法が適用されます。失火によって延焼した相手に対しては損害賠償責任が発生しません(重過失の場合は除く)。また、放水による家財の被害についても失火責任法が適用され賠償義務はありません。先の火災の場合、9階以下の居室は全て放水被害を受けていると推測できますが、失火本人の家財保険では隣室に対しては適用されません。この場合、各入居者の方が自ら加入している家財保険により補償を受けることになります。隣家が被害にあっても失火本人に責任義務が無いというのはビックリですね!

大家に対しては、

 借主は、大家と賃貸借という契約関係にあります。そのため、借りた住宅を契約終了時に元の状態にして返さなければいけません(原状回復義務)。これがなされない場合、債務不履行による責任(民法415条)が大家に対して発生します。この場合は、失火本人の家財保険より補償されます。その他、建物共用部の被害に対しては、大家の火災保険から補償されます。

被害内容…推測

 もちろん火災は起こさないことが一番です。先の火災の場合は、鉄筋コンクリート造りでしたので、幸いにも他室への延焼や人的被害は無かったようです。では、このような火災になった場合に、どのような被害()が発生し、家財保険でどれくらい補償されるのか推測してみましょう。失火本人やマンションの入居者全てが一般的な家財保険に加入していると仮定します。(失火本人に重過失責任が無いと仮定。保険会社に監修してもらいました)

 

  自分の部屋が全焼し、自分の家財が消失 →被害額300万円 ←失火本人の家財保険にて補償

 

  失火元の部屋の設備・内装が消失       →被害額1000万円 ←失火本人の家財保険にて補償

 

  黒煙で、建物外壁が真っ黒に変色       →被害額1000万円 ←大家の火災保険にて補償

 

  消火活動(放水)により9階以下の階は水浸し、各入居者の家財も水浸し                                                →被害額200万円×世帯数 各入居者の家財保険にて補償

 ⑤  安全点検が終了するまで当分の間、電気・ガスは使えない。各入居者は生活できない。

                  →被害額10万円×世帯数 各入居者の家財保険にて補償

    失火本人が各入居者宅にお詫びへ    見舞金総額30万円 ←失火本人の家財保険にて補償

家財保険の期限は切れていませんか?

 失火本人の賠償額もそうですが、消火活動(放水)によって他の入居者が受ける被害額の大きさにびっくりしてしまいますね!   現在、ご加入している家財保険の補償期限は大丈夫ですか?ご確認をお願いいたします。

 なお、当物件では使い勝手の良い家財保険をご用意しておりますので、更新時期には是非乗換えをご検討ください。