入居時に知っておこう、原状回復義務の話
賃貸住宅から引越しをする時、居室の内装や設備等の「原状回復」は入居者様の義務になります。昭和の時代「原状回復」とは曖昧な基準でしたが、現在では、国交省のガイドラインや裁判例に基づき、細かく決められています。当物件では、ガイドラインに基づき、良心的な原状回復費の請求をおこなっております。
原状回復義務とは?
賃貸契約での「原状回復」とは、「元の状態に戻す」のではなく「入居者の故意・過失や通常を超える使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義されています。つまり「経年変化と通常損耗は原状回復義務の対象外」になります。当物件では、「きれい」に「長く」入居して頂ければ、現状回復費用はほとんど掛かりません。逆に「汚く」「短期間」の入居であれば、相応の原状回復費用を請求させて頂くことになります。
グラフ1 (国交省ガイドラインより)
入居年数によって負担割合が減少する
リフォーム後は新品だった壁紙も入居年数により価値が減少します。右のグラフで説明すると、「耐用年数6年の設備」は、3年後に残存価値が50%になるということを表しています。
つまり、新品10万円の壁紙を煙草のヤニで真っ黒にしてしまい、3年で退去する時には、5万円の原状回復費用が請求されるということです。
逆に、6年で退去した場合は1円の原状回復費用請求となります。ですから、6年間以上入居して頂くと多くの原状回復義務がなくなります。
グラフ2(国交省ガイドラインより)
主な設備の耐用年数 具体的に見ていきましょう。
耐用年数6年・・・クッションフロア、壁紙(クロス)、畳床(畳表ではない)
耐用年数8年・・・金属製品以外の器具・備品 (当物件ではあまりありません)
耐用年数15年・・・給排水設備・便器・洗面台・金属製の器具・備品
建物と同じ耐用年数・・・フローリング・ユニットバス・浴槽・下駄箱・窓ガラス・玄関ドア・室内ドア
実際にあった請求事例 じっくり説明し納得してお支払いただきました。
(事例1)夫婦2名で入居。3年で退去。2人共にヘビースモーカーで壁紙が「煙草のヤニ」で真っ黒。全ての部屋の壁紙を交換しなければなりませんでした。壁紙交換費用約20万円の50%(設備等の経過年数と賃借人負担割合より計算)である10万円を原状回復費として請求いたしました。
(事例2) 夫婦2名+犬1匹で入居。6年で退去。犬を飼われていたので心配しましたが、躾がしっかりしていらしたのでしょう、大変きれいに使用いただきました。しかし、壁にこぶし大の穴があいていましたが、壁紙交換時に下地補修できるので、3240円の原状回復請求で済みました。
(事例3) 家族3名で入居。8年で退去。長期入居より壁紙とクッションフロアの原状回復請求はありませんでした。しかし、食器洗い乾燥機の接続の為に流し台の蛇口を変更してしまい原状回復が発生。また、洋室の木製ドアが2枚破損していたことより合計で10万円の原状回復費を請求しました。
(事例4) 夫婦2名で入居。10年で退去。換気の習慣が無く、壁紙が結露によるカビで真っ黒に。全ての部屋の壁紙を交換しました。壁紙交換費用は約20万円掛かりましたが、長期入居により原状回復請求はゼロでした。
入居6年間以上(長期入居)で多くの原状回復義務が無くなります。喫煙する方の場合、壁紙は全て交換することになるので、短期での退去には覚悟が必要です。耐用年数の長い、ガラスやドアの破損は多くの費用が掛かりますので注意しましょう。
貸主負担or借主負担? 具体的に見ていきましょう。(国交省ガイドラインより抜粋)
貸主負担となるもの |
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通常の住まい方で |
· 家具の設置による床・カーペットのへこみ、設置跡テレビ・冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(電気ヤケ)、壁に貼ったポスター等によるクロスの変色、日照など自然現象によるクロス・畳の変色、フローリングの色落ち、下地ボードの張替えが不要である程度の画鋲・ピンの穴、設備・機器の故障・使用不能(機器の寿命によるもの) |
次の入居者確保の |
· 特に破損等していないものの、次の入居者を確保するために行う畳の裏返し・表替え、網戸の交換、浴槽・風呂釜等の取替え、破損・紛失していない場合の鍵の取替え |
賃借人負担となるもの |
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手入れを怠ったもの |
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